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下り坂。とてもゆるやかな。
それでも確実に、気がつけば小さな段差を落ちていて、あの日わずかに見えた景色がもう見えない。
時の流れはそんなもの。
きっと少しずつ進んではいて、気がつけば背が伸びていたあの頃のように、目指した高さに近づいてはいて。
だけど、残酷なほど透明な、無意味に過ぎる一日の長さに、
短さに、
この歩幅が勝てたためしがあっただろうか。


時の流れはそんなもの。